映画「いのちの仕舞い」:小笠原望 医師の「聴く力」

小笠原医師の訪問診療のようす。見出しの”しあわせと思えたら、それがしあわせ”に惹かれた。

小笠原医師の訪問診療のようす。見出しの”しあわせと思えたら、それがしあわせ”に惹かれた。

2月の3連休の最終日。
四万十~いのちの仕舞いを、十三の第七藝術劇場で観た。
この映画で小笠原望医師を知った。

小笠原望(おがさわら のぞみ)
1951年、高知県土佐市生まれ。
弘前大学医学部卒後、高松赤十字病院を経て、
1997年、大野内科(四万十市:旧中村市)へ。現在同院長。
四万十川流域で暮らしている人々の最期(いのちの仕舞いと呼ばれている)と向き合う日々を送っている。

ラッキーなことにこの日、
監督(溝渕雅幸)、
音楽担当(ザビエル大村)、
小笠原医師が来場されており、トークショーに参加できた。

↓ はトークショー内容メモ。

(監督):
小笠原先生は、往診相手の話を60分ずっと聴く
もんがまえの耳(聞く)ではない
聴く力すごい。聴く力ってすごくて、
私はこれまで200人300人取材したけれど、聴く医者はいなかった。

(小笠原):
私は文化系医者。医療は科学ではなく文学。
中学から川柳をたしなみ、ことばに興味を持ってきた。
どういう言葉で(相手の思いを)受け取り、返すか=川柳の世界の延長。
少年期から、ことばをたいせつ、やりとりをたいせつにしてきた。

(監督):
聴く力 この人になら、話したくなる、ということ。

大好きな詩人茨木のり子の詩
「汲む」「聴く力」「みずうみ」などに触れたことがきっかけで、
わたしは「聴く」ということに関心がある。

「聴く」ことのできるひとは、

相手のことを受け止められる豊かな器 だだその場にいるだけでも無形の安心感

があると思う。

トークショーで監督の話を、
過度な頷きも、さしはさむ言葉もなく、じっと監督の話に聴き入る小笠原先生。

その表情の何と柔和で温かいものであるか。
その在り様、物腰に、豊かな器と安心感を感じた。


(参考)

2014年2月に小笠原先生が「こころの時代(ETV)」に出演。
その模様を書き起こしてくださったサイトをご紹介します。
ネットでシェア、ありがとうございます。

こころの時代へようこそ : 〝いのちの仕舞い〟を支えたい
http://h-kishi.sakura.ne.jp/kokoro-637.htm

エムズの片割れ : 「“いのちの仕舞い”を支えたい」~高知・小笠原望医師の話
http://emuzu-2.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-01ef.html